「遊んで学べ」をテーマに、学習ゲームなどの制作をしています。

コンセプト

ハコノリ、である。
ハコをのせていく遊びだから、ハコノリ。
でも、ハコノセ、ではない。

プレーヤーにあたえられるのは、「ある立体を正面、横、上のいずれか1つの角度から見たかたちが記されたカード」と「1辺20cm大のハコ10個」。
このかたちをヒントに、このゲームに参加する3人のプレーヤーは、与えられたハコを正しい形に組み上げなければならない。
3人の誰から見ても正しい図形を組み上げるというのは、いざやってみるとこれが大人でも悩ましい。
意外と。
やってみてもらえるとわかるから。

ハコノリに使うハコは、1辺20cmの立方体と決まっている。
これ以上でも、以下でもどうにも具合がよろしくない。
手にしたときになんとなく愉快で、積み上げたときに程よく視界を遮ってくれるサイズ。
それがマジックナンバー20cm、なのである。

さてこのハコノリ、ゲームの内容を聞いたときに皆さんが最初に思い浮かべられる「学習効果」とは一体どんなものであろうか?
「3次元的な空間認識能力の鍛錬」、と言って下さる方がまずは多いかもしれない。
もちろん、これも一つの効果としてぜひ役立てていただきたいところだ。
「複数人からなるグループ内での情報共有の練習」、と言って下さる方も、あるいはいるだろう。
他のプレーヤーが持っているカードと、自分の持っているカードの情報を組み合わせないとクリアできないこのゲームは、確かにそういった使い方をしていただければ我々としてもありがたいところである。
大変に。
でも、もしかしたらもっとシンプルに使ってもらえるかもしれないな、と最近我々は思うのです。

自分の心の赴くままハコを載せ、何がしかの形を作り上げるという行為は、かなり楽しい。
積み木という玩具が世界中に存在しているという事実が証明してくれているように、それ自体がとても楽しいのだ。
でも、ハコノリは一人ではできない。
みんなで1つの形を作らないといけないから、時にそれは意外とじれったい。

本当は好きなように積み上げて、自分から見てカンペキな形であればOK、そんなルールの方が子どもは一生懸命取り組んでくれるかもしれない。
しかし、ここで敢えて我々は断言する。「それじゃあただのハコノセなんです!!」と。
このゲームは「ハコノリ」である。気恥ずかしさを忍んで白状すれば、マスコットキャラクターの側面にはご丁寧に海苔も巻いてある。デザイナーのコメントによれば、「ハコに海苔巻いてノリノリ」なイメージのゲームなのだそうだ。海苔の必要性の有無については再考の余地があるにせよ、しかしこれはゲームであるからして、プレイヤーにはノリノリで楽しんでいただきたい。
にも関わらず。断片的なヒント、のせていくにつれて徐々に視界を奪う1辺20cm大のハコ、自分の面から見て出来たと思ったら「何か違うかも・・・」などと言い出しちゃう他のプレーヤー。
このゲームの中に、我々はほんのちょっとずつの不自由を織り込んである。とはいえ、それは必ずしもイジワルな心持によるものではない。
本当だ。
「自分の好きなようにハコをのせて遊びたい」という気持ちと「自分だけが完成してもクリアできない」という気持ちの板ばさみの中、それでもみんながノリノリで遊べるための工夫とは、一体どんなコトなのか。
それは例えば、「相手が考えられるだけの時間を待ってあげる」ということかもしれないし、「相手が、自分にどこにハコをのせてもらいたがっているかをおもんばかる」ということなのかもしれない。
ただ、それらの「工夫」に通底するのは恐らく、「自分だけではなく、他人もまた一緒に遊んでいるんだ」というひどく当たり前の事実を前に、ちょっとした思いやりをもってゲームに参加するという姿勢であろう。
このハコノリというゲームを通じて、そんなほんのほんのちょっとの思いやりがゲームという場を豊かにするのだということを、感じてもらえればとてもうれしく思う。

願わくば、プレイヤーたる子どもたちがハコの山を前に仲良くノリノリで遊んでくれますように。

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